真菰と神仏

マコモ(真薦・真菰)は、ぎっしり水辺に生えてるイネ科の多年草で、お釈迦様が真菰で編んだムシロに、病人を寝かせ病を治して歩かれたという話もあるように、古事記や日本書紀、万葉集にも記載されている神聖な植物です。
「神が宿る草」といわれ、しめ縄に使ったり、神様の通り道に敷きつめたり、茅の輪として使ったり、全国の数多くの神社で神事や祭事に大切に使われてきました。(出雲大社の本殿のしめ縄、宇佐神宮のご神体は真菰の枕など)

真菰栽培の現状

  • 稲作より歴史は古いが、収穫の効率の悪さから現在は菰米(こもまい)を生産している農家はほとんどない。
  • 最近では、環境破壊が進み、湖、沼や河川の生態系が次第に崩れ、また、河川や田んぼなどの水路はコンクリートなどで覆われ、年々まこもが減少しつつある。

    ※会津若松市を流れる湯川、近辺の河川敷なため歩いて散策するとやはり工事が入り、真菰の株は排除されてました。株が流され生き残っていても中心部にあっては収穫はできず、安全性を考えると水辺に育つ自生真菰の株は収穫はできない。
  • 代用でマコモダケの葉を活用して、しめ縄作りをする方もいるが認知度はかなり低い。
  • 米農家の方も活用法がわからないため、宿根草で地下茎で育つ真菰は厄介者扱いで伐採されている
  • 真菰の葉を活用してできるもの
    茅の輪(茎葉)、しめ縄(茎葉)、盆ござ(茎葉)、カヤカヤ馬(茎葉)、精霊舟(茎葉)など
    在来種の真菰、国産のものは少ない
  • 宮城県気仙沼で、(株)リバーヴ(真菰の苗を協力してくれた会社)で日本初のマコモベイルハウスを作っている(2022年〜)
真菰は日本人の「衣・食・住・神事」すべてに関わってきた歴史があり、「神の宿る草」といわれていますが、認知度が本当に低いのが現状です。

在来種真菰・会津産自家栽培

昨今、核家族化が進行し、年中行事の意味などが無頓着になっています。その成り立ちや誕生したときの意義がわからないままカタチだけのものに…。
また、日本の文化、形を変えずに残っているものを伝える機会、その作り手も高齢化で減っています。

結和(ゆいまーる)では、
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大家家族 → 核家族 → 一人暮らしと移行し、社会教育より進学が尊重され、伝統文化や風習の意味など理解する機会も失わされつつあるものを次世代に伝え継続させたい、そして本物の素材に触れて、自身の五感も磨きながら楽しんで欲しい
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そんな想いから…次のような活動を行ってきました。
「田んぼから始めるしめ縄作り」

【真菰まるっと楽しむ会☆会津】を2022年4月に設立し、活動を始める

真菰のしめ縄作りを初体験

2018年 真菰のしめ縄作りワークショプにて、自身がしめ縄作りを初体験

真菰のプランター栽培を試みる

2019年 沼沢湖近辺でマコモダケ栽培する農家からマコモダケの苗、麻仲間から在来種の真菰苗もお裾分けがあり、プランター栽培を始める

しめ縄作りワークショップを開催

2019年 「自分家のしめ縄は自分たちの手で作ろう!」ワークショップを開催し、30名がしめ縄を作成

在来種の真菰のプランター栽培を本格化

2020年 プランターで株分けしながら在来種の真菰の株を育てる

自生真菰は少なく、代用のマコモダケの葉を使用してましたが、マコモダケ農家も地元で数える程度。
本来の素材を使いたいという想いから、本格的にプランター栽培を始める。

広がるプランター栽培

2021年 300株をプランターで栽培

ゆいまーるの活動、その想いに共感頂き、宮城県気仙沼の(株)リバーヴ様から在来種の真菰の苗を協力を得る。
しめ縄作りワークショプの参加者も年々増加。
自分家のしめ縄は自分の手で! と作成される方も60、100名と増えています。

休耕田でしめ縄用の真菰(まこも)を育てる

2022年 【休耕田でしめ縄用の真菰(まこも)を育てる】場所ができ、宮城県気仙沼(株)リバーヴ様より在来種真菰1000株を協力頂き、田んぼで栽培開始。

休耕田で真菰(マコモ)栽培

場所:こづちやま棚田の会の敷地内(喜多方市高郷町磐見字立岩地内)

耕作する田んぼは、しばらく休耕田でしたが今回のワークショップを通じて、再び 【田んぼ】として活用!!
農家さんの協力のもと、真菰の田植えからスタートし、育て、刈り取り、刈り取った真菰で年末のしめ縄、しめ飾りを作るまで、真菰まるっと楽しむワークショップを企画しました。
真菰の田んぼ作業は全て手作業です。
農家さんの一連の田んぼの作業を体験しつつ、昔ながらの暮らしの良さも感じながら、しめ縄作りもいつもと違った形で、自分の家のしめ縄は自分の手で作ってみませんか?と呼びかけ、多数のワークショップを開催し、販売品も含め大小200個のしめ縄や輪飾が誕生しました。
「真菰」という素晴らしい植物。
新しい形で、これからの生活の中でホッとする形でお届けし、目の前の方々を笑顔にする。
そして周りも笑顔にするきっかけをつくり地域を元気にしていきたい。
真菰の現状も伝えつつ、現代生活の中で身近に感じる作品も生み出していきたいです。